退院後の支援

このページでは、「小さな赤ちゃんを失った家族のグリーフとはどのようなものなのか?」を理解し、退院後も続く苦しい感情や死別後の様々な課題に向き合うために必要な知識・情報を紹介しています。

目次)

1.赤ちゃんをなくした家族が直面する様々な課題

2.悲しみと向き合うための指針

3.困った時の相談場所


⒈ 赤ちゃんをなくした家族が直面する様々な課題

身近で大切な人をなくしたとき、私たちは強いショックを受け、様々な感情やからだの反応を体験します。これらの反応・プロセスは、死別後の「グリーフ(=日本語では悲嘆)」と呼ばれています。

流産や死産、新生児死などで小さな命を失ったときも、このグリーフ と呼ばれる反応が生じます。多くの親御さんが、これまでに経験したことのない深い悲しみや怒り、自分や他者を責める気持ち、周囲から取り残されたような孤独感、不安など様々な感情を体験し、これらの圧倒的な感情体験に戸惑い、「これから私は一体どうなっていくのか」という強い不安を感じています。


*札幌市作成リーフレット「ご家族のためのこころのサポート・ガイド」

赤ちゃんをなくしたご家族が経験することが多いグリーフの影響についてまとめられたリーフレットです。

2.悲しみと向き合うための指針

 悲しみ、グリーフの形は、ゆっくり時間をかけながら、少しずつ変化していきます。グリーフ のさなかでは、どんな感情を感じてもおかしくはありません。かけがえのない存在・命をなくすという、予期できない、とても理不尽な出来事がおきたのですから、通常は感じることのない様々な感情が湧き起こり、コントロール困難に感じることも多いと思います。

どうぞ、そんな自分を否定しないであげてください。悲しみや怒りを感じる自分を、ありのままの自分を、そのまま受け止めて、いたわってあげてください。

今はそうは思えないかもしれませんが、「この苦しみがずっと同じ状態で続くわけではない、少しずつ楽になる時がくるのだ」と信じてみてください。

1)周囲に助けてもらいながら、まずは食事や睡眠などの基本的な生活を少しずつ整えて いきましょう。自分の心の状態を理解するために、グリーフに関する知識・情報に目を通すことも役に立ちます。

2)感情には、1つ1つ、意味があります。

3)「悲しみ」や「怒り」は、丁寧に、大切に扱うことで、自分に必要なことが見えてきます。安全な人・場所につながって、少しずつ自分の悲しみや怒りを外に出し、ただただ聴いてもらう(否定や評価をされず、そのままを聴いてもらえることが大切)ことが大きな支えになります。

4)「恥」や「自責の念」を一人で抱え込むことはとても苦しく、生きるエネルギーを削がれ、グリーフ のプロセスがこじれる大きな要因になります。これらの感情に触れる、出来事を語ることはとても苦しいことですが、「安全な人とつながり、助けを求める」ことで、苦しさを緩和できるかもしれません。

身近で相談できる人・場がない場合は、自治体の保健師等専門職や医療機関などに相談することができます(3.困った時の相談場所を参照して下さい)。


◆参考資料

Sands Bereavement Support  Book(英語)

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www.sands.org.uk

3.困った時の相談場所

大切な人をなくした後、様々な苦しい感情、思考や身体的不調を体験することは、人として自然な反応であり、この反応・プロセスは「グリーフ(悲嘆)」と呼ばれています。

グリーフの反応や過程は、人それぞれにとても苦しいものだと思いますが、通常は、周囲のサポートや時間の経過と共に、徐々に、波を繰り返しながらも、年単位で、その激しさは軽減していきます。

しかし、死別を取り巻く状況や周囲のサポートの有無によっては、通常のグリーフ反応がより強度で長期化したり(=専門用語で「複雑性悲嘆」と呼ばれる状態)、うつ病やPTSD(再体験、回避・麻痺、過覚醒などの特徴的なトラウマ症状が生じる疾患)などの精神疾患が併発し、日常生活が困難になる場合があります。

このような場合は、自分や家族だけで苦しみを抱えるのではなく、死別後のメンタルヘルスの問題に取り組んでいる精神保健福祉センターや医療機関へ相談するという方法があります。

どのような相談機関や医療機関があるのかわからず困った時には、地域の精神保健福祉センターや市町村の保健センターに相談してみましょう。

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