職場との連絡・調整について

◆働く女性が流産・死産した場合に利用できる制度

(1)産後休業

「妊娠12週以降の流産・死産および人工妊娠中絶をされた女性は、産後休暇を取得する必要があります」

労働基準法第65条により職場は女性労働者に産後休業を取得させる義務があり、妊娠12週以降の流産・死産及び人工妊娠中絶の方も対象となります。産後休暇は8週間と規定されています(産後6週間を経過し本人が希望する場合は、労働者本人が請求し、医師が支障ないと認めた業務に就かせることは差し支えありません)。

(2)母性健康管理措置

対象者: 流産・死産後1年以内の女性労働者(妊娠の週数は問わない)

医師等から出血や下腹部等への対応として一定期間の休業等の指導が出されることがあります。事業主は、女性労働者が、健康診査等を受けるための時間の確保や、医師等からの指導事項を守ることができるようにすることが義務づけられています。出産した場合だけに限らず、流産・死産後1年以内の女性労働者についても同様です。

職場復帰について

赤ちゃんをなくした後、どのように職場復帰をするか、赤ちゃんのことをどのように伝えれば良いのか、苦しい気持ちを抱えながらやっていけるだろうか等、多くの人が様々な疑問・悩みを抱えています。

この問題に一律の答えはなく、それぞれの仕事や経済状況、体や心の状態に合わせて、職場との調整、復帰のための準備を丁寧にしていくことが大切です。

心身の不調が強く、復職困難な場合は、職場に相談の上、産業医の診察や地域の医療機関受診等を行い、病気休暇を取得の上、その後の職場復帰を検討していく場合もあります。

職場とどのようにコミュニケーションをとっていくと良いのか、このテーマについてまとめられた記事を下記にリンクしますので、参考にして頂ければと思います。


◆管理者などの周囲でサポート・理解してほしい人には、当事者の状況をわかりやすく説明している書籍やWeb記事を事前に読んでおいてもらうのも1つの方法です。

職場の方へ

赤ちゃんを亡くされたママやパパは、深い悲しみが癒えないまま、職場に復帰します。職場の周りの皆さんに知っておいてほしいことをご紹介します。 声かけ 赤ちゃんを亡くした後に職場復帰する際は、男性でも女性でも大変緊張しています。「周囲にどう説明しよう」「どんな顔をして出社すればよいのだろう」「どんな風に声をかけられるのだろう」などと不安と緊張でいっぱいです。 職場の雰囲気や関係性、相手の性格によって、対応は変わるので、これを言っておけば大丈夫、この対応マニュアルが良いと言えるものは残念ながらありません。しかし、気を付けたい言葉というものもいくつかあります。 たとえば、「大丈夫?」という言葉。第一声としてかけたくなる言葉ですが、「大丈夫?」と聞かれたら「大丈夫です」と答えるしかありません。そうすると、職場では大丈夫な自分を保とうと頑張りすぎるかもしれません。また、同僚には弱音は吐けないと壁を作ってしまう可能性もあります。 「次はきっと大丈夫だよ」という言葉もかけたくなりますが、次を考えられる状況でないことが多いので、できればこのような発言は控えていただきたいと思います。 流産について、「よくあることだよ」という言葉をかける方も多いですが、赤ちゃんは一人一人が大事なお子さんですので、できればこのような発言も控えていただきたいと思います。 普段通り、何もなかったように接してもらうのが良いという人もいらっしゃいますし、周囲から気を使われていることを苦痛に感じる方もいらっしゃいます。声を掛けられることが逆に相手の気持ちを辛くすることもありますので、もし声を掛ける場合でも「大変だったね。役に立てることがあったら言ってね。」と、体調が悪い時には仕事を手伝えることをお話しするくらいに留めることが相手の気持ちを楽にできるかもしれません。

流産・死産経験者で作るポコズママの会

周産期グリーフケア情報ステーション@北海道

妊娠中〜乳児期に赤ちゃんをなくされたご家族のための情報サイトです。 北海道内の相談窓口等の支援情報もまとめています。